ひぐまさんちのロッタちゃん


我が家に三番目に生まれた女の子、ロッタはダウン症でした。
1995年生まれで今は10歳です(2005年9月現在) 生まれた時は自然分娩でちゃんと可愛い産声を上げ、体重も人並みに約3キロありました。生まれた直後に「元気な女の子ですよ〜、」という看護師さんの声に「あ〜また女の子かあ〜」と少々がっかりはしたものの、「無事生まれて良かった〜」と心から思ったものでした。

その後電解質異常とひどい黄疸のため、2日たっても病室の私のもとへは来ることができなかったので、何か障がいがあるのでは?と思うようになりました。生まれたばかりの赤ちゃんはくにゃくにゃでたよりないものですが、この子は体全体が本当にぐにゃぐにゃでスライムのようでした。顔も妙にちいさく扁平だったので「もしかしてダウン症では?」と思ったので、小児科の医師に「ダウン症なんじゃないですか?」と聞いてみたところ、検査の結果が出てみないとわからない..とのこと..私に内緒で検査をしていたのです。そっか先生も疑っていたんだ...と落胆したものでした。そして生後10日後、染色体検査の結果は「21トリソミー、ダウン症です」とのこと、「やっぱり」と思うとともに、いったいこれから私はどうしたらいいのだろうと奈落の底に突き落とされたような思いでした。

しかし悲しんでいる余裕もなく心臓に異常がみつかり、転院して心臓の手術をすることとなり、その頃の私はとにかく私がしっかりしなければとつとめて明るくふるまっていたように思います。反面、心の中では生きる希望をなくしてしまい、我が子を抱いたまま病院の窓から飛び降りようという衝動にかられたりしたこともありました。

子供に障がいがあるとそれを隠したがる人もいるようですが、私は人に隠すということを全くせず、友達に電話をかけまくり「赤ちゃんダウン症だった!」と報告しまくっていました。突然にそんなことを言われた友達は当然何といってよいやらわからず、当然あたりさわりのないようになぐさめてくれましたが、今思えば友達に聞いてもらうことでずいぶんストレスは軽減されていたのかもしれません。

心臓の手術後、ロッタは順調に回復し、明るく元気な子供に育っていきました。2歳になると上の子達同様、保育所にも通うことができました。保育所に入るときは保育所と市役所に数回通ってお願いはいましたが、いがいにもみんな好意的に対応してくださり、ほかの子供達とほとんど同様に預かってもらうことができました。

小学校は希望して障害児学級に入りました。ラッキーにも学校のお母さんという感じの熱心な先生が付いてくださり、入学時から現在まで一度も学校へ行くことをいやがらず毎日楽しく学校に通っています。

ダウン症でも言葉がはっきりして知的レベルの高い子供はいますが、友里は言葉が遅く、お勉強はなかなか進みません。言葉はいまだにかたことです。それでも超亀速の進度ながら、ひらがなの読みが10文字くらい、書きはなぞりまでできるようになりました。お絵かきと習字は時々なかなかすばらしい作品を仕上げてきます。学芸会ではちゃんと劇に参加していました。大切なのはできないことを嘆くよりできたことを喜ぶのことだってつくづく思います。

思い起こせばロッタがいたおがげで本当にたくさん楽しいことや嬉しいことがありました。それは悲しかったり苦しかったりしたことよりはるかに多かったと思います。

反省することは山ほど...。お勉強をみてあげること..絵本を読んであげること..歌を歌ってあげること..毎日やろう..とは思っているのですがこれがなかなかできません。気が付いたらもう風呂入って寝る時間になってしまう..という日がほとんどです。

ロッタ、小学校入学のころ



ロッタもももう小学5年生になりました。勉強は相変わらずちっとも進みませんが、学校は大好きで毎日元気よく学校へ通っています。障がい児学級では一番お姉さんとしてみんなのお手本となり(..ということにしておこう)協力学級ではクラスの人気者(これは本当)でみんなに可愛がられています。


ロッタのアルバム(誕生〜小学校入学まで)



ダウン症について

ヒトの染色体は46本あってそのうち44本は22対の常染色体、残りの1対の2本は男女の性別を決定づける性染色体です。ダウン症候群では21対目の染色体が通常2本のところ3本あるので別名21トリソミーとも言われています。厳密にいうとこのトリソミー型のほかにモザイク型と転座型というものもありますがごく希で、ダウン症のほとんどが21トリソミーと言われています。

実は染色体がトリソミーになるのは21対目の染色体だけではないのですが、ほかの染色体がトリソミーになった場合大切な遺伝情報が多いので早い時期に自然流産となってしまうことが多いそうです。21対目の染色体には遺伝情報が少ないので生まれてきやすいということになります。

2本ある染色体が3本になると、遺伝情報が正しく伝わらず、様々な現象がでてきます。
それは顔貌の特徴であったり知的障がいであったり、内臓や四肢の奇形であったりいろいろです。





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