インプラント補綴による審美的咬合再構成

咬合崩壊症例に審美的インプラント補綴を施行したケースを供覧させていただきます。
患者さんは上顎のブリッジの破損を主訴に来院しました。



初診時口腔内所見です。上顎のクロスアーチにスプリントされたブリッジは破損し、
下顎の咬合面および切縁のウエアーは著しく、臼歯部歯頚部のアブフラクションも著明に認められます。



初診時オルソパノラマX線写真です。右上12番、左上1567番、右下7番、左下7番が欠損しています。
右上4番6番、左上4番は骨縁下ウ触のため抜歯、右上7番は不働歯であることと、右上6番の歯冠形態に
制限をあたえないようにするため抜歯を予定しました。
そしてインプラントの配置は右上2、4、6番、左上1、4、5、6番部に7本埋入することを計画しました。



セットアップモデルです。上顎前歯の歯冠の長さと、右上臼歯部のクリアランス不足に対する検討が必要と考えました。
下顎は適切な歯冠形態と咬合面接触およびガイダンスを付与するためすべて歯冠修復するよう計画しました。


インプラント埋入所見です。7本のインプラントが埋入されています。


プロビィジョナルレストレーションの状況を示します。
咬合、ガイド、TMJ、審美性、装着感、発音などのチェックを施行しました。



最終補綴後の口腔内所見です。咬合、ガイド、審美、発音、顎関節に問題はなく良好に経過しています。



同咬合面観です。臼歯により咬合高径が維持され均等な咬合面接触が得られるように修復しました。
上部構造はすべてセラモメタルクラウンで修復されています。



最終補綴物装着後のデンタルX線所見です。インプラントおよび天然歯周囲骨の状況は良好で、
最終補綴物の適合も良好です。患者さんは結果に大変満足されています。