キシリトールについて
副院長 吉村裕美子
1997.5.30UP


平成9年4月17日に、キシリトールという甘味料が認可されました。
キシリトールは新しい虫歯予防の形として注目されています。

1.キシリトールとは
キシリトールは、多くの野菜や果実に含まれる天然素材甘味料で、砂糖と同等の甘味度があり、カロリーは砂糖の25%OFFです。
 
 化学式 : C5H12O5  天然の五単糖アルコールです

2.キシリトールの特性
キシリトールは口腔内の虫歯菌に代謝されないため、菌は「酸」を生成できません。また代謝しようとして大きなエネルギーを消費する過程を繰り返すため菌は疲労し、活性が弱まりさらには減少していく..といわれています。

これまでにも、ソルビトール、マルチトールといった甘味料はあり、ノンシュガーのお菓子類に使われていました。キシリトールはこれら従来の甘味料と、虫歯菌に代謝されにくいという点では同様なのですが、菌を疲れさせ、減少させるという点に違いがあります。






3.キシリトールを使用した製品
ガムやタブレットが販売されています。
大手ガムメーカーでは使用甘味料の50%をキシリトールにしたものをすでに販売しています。(一般の小売店で買えます)
歯科医院用に100%キシリトールのガムもごく最近発売されました。
価格的には砂糖製品に比べてやや割高となっているようです。

4.あくまでも補助的なものとして..
虫歯予防の手段としてはやはり、歯磨き、甘味制限が主流であることに変わりはありません。キシリトールがいくらいいからといってすべての甘味料をキシリトールに変えるということは不可能です。
しかし、なんといってもガムを咬んで虫歯予防..という手軽さが魅力です。フッ素塗布と並ぶ予防の補助的手段としてこれから普及していくのではないかと思われます。

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