2.遊びで口腔筋機能を育てる

楽しい遊びの中で口腔筋機能を育てる方法です。

練りチョコなめ

口唇の上下左右にチョコを塗って
舌でなめて取る。
ウエハースor
焼き海苔取り

上の歯の裏や歯茎にウエハースや焼き海苔を
付けて舌でなめて取る。
飴玉遊び

親子で飴玉をなめて、かまずにどちらが早く
食べ終わるか競争する。時々舌の上にのせた
飴玉を見せ合う。
変わり玉といってなめていると色が変わる飴は面白いので
子供に人気があります。

笛、らっぱ遊び

いろいろな種類の笛やラッパ、ピアニカを
吹いて遊ぶ。
シャボン玉遊び

シャボン玉の大きさ。数などを見せ合う。
ストロー遊び1

バケツなどに水を張り、発砲スチロールなどで作った
ヨットや色紙を吹いて遊ぶ。
ストロー遊び2

ビニールチューブ(金物店で売っている)をストローの
かわりにしてジュースを飲む。
ストロー遊び3

牛乳、ジュースを飲んだあと、少し残った牛乳、ジュースを
ストローで吹く。泡がたつので面白い。
ろうそくの火を吹き消す

ケーキ用のろうそくに火をつけて吹き消す。
ケーキ用のろうそくを縦1列に間隔をつめて並べて、
手前の1本に火をつけて吹いて火を後ろのろうそくに移していく。
象の鼻遊び

象の鼻を吹いて遊ぶ
( 大人があらかじめ何度か吹いて、吹きやすくしておくとよい)
風船らっぱ遊び

風船らっぱを吹いて遊びます。結構吹く力がないと
難しいかもしれません。
( 大人があらかじめ何度か吹いて、吹きやすくしておくとよい)

かざぐるま遊び

かざぐるまを吹いて回す
吹き矢遊び

直径1.5cmくらいの筒をつくり、紙玉を吹き飛ばして
遊ぶ。
ストローに飛行機型のサックを作って吹くのも楽しい。
水鉄砲遊び

乳幼児編で使った霧吹きなどを使います。
50センチほど離れて向き合い、子供に舌を出させて、そこへ水鉄砲を命中させます。みずが当たったらごくんと水を飲みます。子供と交代でやると良いでしょう。
水をぷっと吹き出す

お風呂などで口に水を入れてぷっと吹き出して遊ぶ。


このほかにももっといろいろな遊びがあるのではないかと思います。たとえばタンポポの綿毛を吹くとか、空き箱などにピンポン玉を入れて吹いて遊ぶなど工夫しだいでいろいろな遊びができるのではないかと思います。

こちらも、こんなお行儀の悪いことはしたくない..というような内容があるかもしれません。そこはご両親または指導者の判断におまかせいたします。


参考文献
「口腔筋機能療法の実際」 高橋 未哉子著
「発音を育てる」 柚木 馥・伊藤 静代編著
「食べる機能を促す食事」 向井 美恵編著 
「実践障害児教育1997.4月号P42 「口.舌を使った遊び」植野 善太郎 学習研究社



ダウン症児の母親として一言

ここで書いたようなことは、すでに普段の生活のなかで行っていることが多いのではないかと思います。ただこちらが意識して行うと「ああ これで唇の筋肉が鍛えられている」と認識することができます。それが大切なことなのです。
私自身もたとえばこのような経験をしました...スプーンでスープを飲むのに、ちょっと前までは口の中にスープを流し入れてあげないと飲めなかったのに、ある日突然掃除機で吸い込まれるようにスープをすすることができたのです(私やお姉ちゃん達が見本をみせてあげていました)。とても嬉しい瞬間でした。そして注意して見ていると、スープをすすれるようになってから口をすぼめる表情をよくするようになったのです。気に入らないことがあったときこの顔をするのですが..それがまた可愛いんですね。(親ばかですね(^^;)「うーうー」という発声も口をすぼめているせいか明瞭になったように思います。

我が家の友里は2歳5ヶ月になりました。歯も16本萌出し、ずいぶんいろいろなものが食べられるようになりました。会話レベルにはほど遠いのですが、意味のある言葉も出てくるようになりました。

以前気になっていた状態「口がぽかんとあいて舌が出ている..」はほとんどなくなったようです。
ただかみ合わせが悪く、これは将来矯正治療をしなくてはならないなぁ..と考えております。






友里2歳0ヶ月
「くちぱっちのお顔」

このページの製作にあたってご協力をいただいた、札幌医科大学口腔外科学講座講師で言語療法士でもあられる伊藤静代先生に厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくご指導のほどお願い申しあげます。

1997.6.27 吉村 裕美子