定期検診の大切さ

1997/2/20


「歯科医院へ行こう」と決意するきっかけは、何でしょうか?歯が痛いという自覚症状を感じ
てから受診される方がほとんどのような気がします。虫歯というものは、常に痛みを伴うものとは、限りません。気づかぬうちに進行し、最悪の場合は、抜歯となる可能性もあります。自覚症状がでる前に受診し、検査を受けることが大切です。初期のものならば無痛治療も可能です。痛みがでてからでなく、でる前に、検診を受け、本当に自分の歯やその他の組織が健康なものかどうか確かめましょう。歯も体の一部です。歯の様々な病気も全身疾患と同じように考えてください。何事も早期発見が一番です。

毎食後、人の口腔内(口の中)には、歯垢(プラーク)が繁殖されます。舌で歯をさわり、ザラついた感じをうけたことは、ありませんか?それが歯垢、つまり細菌のかたまりなのです。歯を磨くことの一番の目的は、歯垢を除去することです。
そのことを常に頭において歯を磨きましょう。

歯垢の段階ならば、必ず歯ブラシで除去できます。取り切れず残った歯垢は、次第に歯石へと変化します。歯石は、硬い石のようなもので、歯ブラシでは除去できません。
歯石もまた細菌のかたまりです。このような細菌のかたまりは、虫歯や歯肉炎の原因となります。歯肉炎は、歯槽膿漏への第一歩です。歯肉炎は、簡単に治すことができます。原因となる歯垢を除去すればいいのです。
しかし、歯垢を除去するためには、正しいブラッシング法を知ることが大切です。
図1の写真を見てください。歯ぐきの腫れが著しく、出血も認められます。正しいブラッシング法を知り実行した結果、図2のような歯ぐきになるまで回復してきました。
図1 図2

歯肉炎の治療法は、ただひとつ、正しいブラッシング法を知り、歯垢を除去し続けること。つまり治すのは、自分自身です。 

歯科を受診し、虫歯の治療をし、正しいブラッシング法もマスターしたからといって、安心しては、いけません。健康な口腔内を取り戻したからといってすべてが終わったわけでは、ありません。口腔内の様々な病気は、いつどこで発生するかわかりません。
すべての治療が終了した時点で、またふりだしに戻るということを忘れないでください。「痛みが出てからではなく、出る前に。」が原則です。安心の意味も兼ね、定期的に検診を受けましょう。それが口腔内を健康に保つ一番のヒケツです。