オーバーデンチャーの1例(2)

歯周炎が著しく、上顎の残存歯は保存不可能でした。

下顎の残存歯も歯周炎が進行していました。

左上犬歯と左上第2大臼歯は抜歯しました。

上顎は総義歯となり、反対咬合で、義歯が安定せず、患者さんはなんとか義歯を安定させて、できれば無口蓋の義歯で、発音を障害しない状況を希望されました。

反対咬合のため、前歯部にインプラントを埋入すると、発音機能を障害する恐れがあるため、インプラントは臼歯部に配置しました。

無口蓋義歯のオーバーデンチャーとしました。主訴である発音障害を考慮して、前歯部にはバーを配置しないことにより、前歯部舌側に出来る限り厚みをとらないよう配慮しました。患者さんは審美的にも発音機能にも満足されました。

また、義歯の安定は完璧で、咀嚼機能も十分回復されました。


上記写真に示すようなバー(CM ライダー342)を中間構造としました。これによりオーバーデンチャーはリジットにサポートされています。

その中間上部構造のバーに義歯の内面に取り付けられたクリップが嵌合して、しっかりと義歯が支持されます。
患者さんは職業上、人前で話をすることが多く、とても快適であると、たいへん満足されています。